
先日、某ハイブランドの店舗でラッピングを待っていたときのことです。
そこへ、傷んだピンク髪でかなり丈の短いワンピースを着た個性的な年配の女性が入ってきました。
店内にいた客全員がギョッとしてしまったのですが、意外なことに店員さんたちは満面の笑みで「〇〇様、お待ちしておりました。本日も素敵な装いでいらっしゃいますね。」などと褒めまくりだったのです!
どう見ても、コーディネートは大正解ではないけれど、一つ一つがそのブランドの作品で、かなりの高額。
絶対にお得意様に間違いありません!
とはいえ、ほかのお客様同士はその女性のことを笑いながらコソコソ何かを話しているし、私たちにはどう考えても不思議な人にしか見えないのです。
もう、お得意様に明らかなお世辞を言っている店員さんたちがわざとらしくて不快になりましたし、いやらしさまで感じてしまうほどでした。
「褒める」と「お世辞」の違いって一体なんなのでしょう?
今回は、心からの褒め言葉とお世辞の違いについて考えてみたいと思います!

「褒める」は好感を持たれ、「お世辞」は嫌われる!
「褒める」は真実、「お世辞」は嘘
「褒める」というのは、真実をもとに相手のよい部分を評価することです。
これはなぜか自然と伝わるもので、聞いた相手も素直に受け入れられます。
たとえば「〇〇さんの気配り、本当に素晴らしいですね」と心から伝えることで、相手も「自分が認められている」と感じ、信頼関係が生まれたり。
一方、「お世辞」は本心でないことが多く、聞いた相手もなんとなく違和感を覚えやすいものなのです。
「いつも完璧ですね」となど言いながら、内心ではそう思っていないと、相手にもその意図が伝わり、かえって好感度が下がることもあります。

心からの言葉か否かはなぜか伝わるものです!
好かれる褒め言葉、嫌われるお世辞
褒め言葉は、好感を得やすいだけでなく、相手の自尊心を支える力にもなります。
相手が本当に努力していることや、他の人にはない個性に目を向け、それを具体的に伝えると、きっと信頼関係は深まりやすいはずです。
逆に、お世辞は表面だけのもので、むしろ軽んじられたと感じさせてしまうこともあります。
つまり、「心からの褒め言葉」は好感を持たれやすいのに対し、「見え透いたお世辞」は嫌われる傾向が強いということです。
お世辞が必要な場面もある?
とはいえ、お世辞が完全に悪いというわけではありません。
場を和ませたいときや、ビジネスシーンでの円滑なコミュニケーションのために使うこともあります!
大切なのは、その場面や相手の空気を読むことです。
褒め上手になりましょう!


学生時代、ある先生の「その人のいいところをみつけて褒めなさい!」という言葉がずっと心に残っているのですが、実際どんな人にもそれぞれのいいところは必ずあると思うのです。
たしかに「気づいたら、そこを褒めてあげる」という心配りは素敵ですよね!
ただし、「褒め言葉」はまず、そこに嘘がないことです。
相手の本当の良さを見つけること、その点についてしっかり伝えることが大切なのです。
そんな気遣いと言葉選びができれば、それはただの「お世辞」ではなく、相手の心に響く本物の「褒め言葉」になることでしょう