
50代(アラカン世代)に入ると、人生の景色がガラッと変わる人も少なくありません。
仕事や家庭がひと段落し、自分のこれからとじっくり向き合う時間が増える一方、過去を振り返る時間も同じくらい増えていきます。
「もしあの時、違う選択をしていたら…」そんな “タラレバ” が頭をよぎる瞬間は、誰にでもあるのではないでしょうか。
独身の友人からは、最近こんな言葉を聞きます。
- 「もし結婚していたらどうなっていたのかな?」
- 「子どもを産んでいれば、違う人生だったのかも。」
その気持ちは私にも痛いほど分かります。
年齢を重ねると、ふと “選ばなかった未来” を考えてしまう。
これは決して珍しいことではなく、多くの50代が密かに抱える感情です。
私自身にも同じように揺れる瞬間があります。
- 「離婚していなかったら、もっと穏やかな人生だった?」
- 「もし別の人を選んでいたら、もっと幸せだった?」
でも、答えはいつも同じところに行きつきます。
タラレバは、どこまで考えても現実にはならない。だから、考えるだけ無駄!
今回は、後悔に囚われず、今とこれからを軽やかに生きるための「50代で見直したい価値観」をまとめてみました。
1. 「選ばなかった人生」 は存在しない。だから比べようがない

私が友人に伝えたアドバイスは、とてもシンプルなものでした。
「結婚すれば結婚の悩みがあるし、しなければしない悩みがある。子どもがいなくて悩むことはあるけれど、子どもがいても悩みは尽きない。どの道を選んでも、悩みはついてくるの。」
これは本当にそうだと思いませんか?
人は、今手にしている人生の “隣の芝” を青く見てしまいがちです。
でも実際には、どの人生にも光と影がある。
「別の選択をしていた自分」と「今の自分」は、そもそも同じ土俵にのせられないのです。
だって、その人生は一度も存在していないのだから。
2. 後悔の正体は「比較」ではなく、「不安」

50代になると、体力・家族構成・仕事の変化など、人生の節目が一気に重なります。
その変化はときに不安を呼び起こし、その不安が「過去の選択」をいじり始めるのです。
「この先ひとりで大丈夫かな」
「このまま老後を迎えていいのかな」
そんな漠然とした不安が、過去の選択への “後悔もどき” となって現れることがあります。
今の自分に自信が持てないと過去を責めてしまう。
でも、これは冷静に見ればただの錯覚です。
3. 50代からこそ必要なのは「足し算」ではなく「引き算の価値観」

20〜30代は未来が広く、選択肢が無限にあるように感じる時期でした。
だからこそ「もっと手に入れたい」という足し算の価値観が合う。
でも、50代は違います。
ここからは 「何を持つか」より「何を手放すか」のほうが人生を豊かにするのです。
- いらない人間関係
- 古い価値観
- 他人の評価軸
- “あの頃の自分”への執着
これらを手放すことで、心のスペースが広がります。
タラレバも同じ。
手放してしまえば、人生は想像以上に軽くなるのです。
4. 「後悔しない生き方」は、過去ではなく “今日の選択” でつくられる

過去は変えられません。
でも、今日の自分が選ぶ行動は、これからの未来を大きく動かします。
だからこそ、50代から意識したいのは “後悔しない今日を積み重ねること”。
- 行きたい場所へ行く
- 会いたい人に会う
- やりたい仕事に挑戦する
- 心の声に正直になる
これを続けていけば、きっと「あの時こうすればよかった」という後悔そのものが消えていきます。
5. それでもタラレバを考えてしまったら?

それは決して弱さではありません。
むしろ、人生を真剣に生きてきた証拠です!
ただし、立ち止まるのは一瞬だけにしておくこと。
「もし違う選択をしていたら…」「でも私は、あの時の自分がベストだと思って選んだ。」「だからもう、この道を誇りに思おう!」
この流れを自然にできるようになると、心の軸がぶれなくなります。
まとめ:50代は “自分の人生を肯定して生きる” スタート地点

50代は、確かに後悔が浮かびやすい時期かもしれません。
ただそれは、人生を深く見つめ直す余裕が生まれた証拠でもあります。
これまでの選択を振り返りながら、これからの生き方を自分の意思で整えていける年代でもあるのです。
タラレバに心を奪われているより、これから先の人生をどう楽しむかに意識を向けること。
後悔しない生き方は、特別なことをしなくても、 “自分の選択を味方にしてあげること” から始まります。
どう生きても、どう選んでも、悩みはついてくる。
だからこそ、今の自分を肯定する価値観へと更新していくことが、これからの人生をより良くするための大切な一歩になるのではないでしょうか?
