歳を重ねてから、若い頃に聴いた曲や、新たに出会った曲が、以前とは違う感覚で沁みることありませんか? 過去の思い出やこれからの人生を考える機会が増えると、音楽の捉え方も変わってくるのかもしれません。今回は、アラカンになって心に沁みるようになった曲をご紹介させていただきます!
『人生の扉』- 竹内まりや
竹内まりや『人生の扉』は歳を重ねることをテーマにした曲で、アラカン世代にはとくにその歌詞が深く心に響くのではないかと思います。
満開の桜や色づく紅葉をこの先何度見ることになるだろう
初めて聴いたときにはとても悲しくなってしまったのですが・・・
君のデニムの青が褪せてゆくほど味わい増すように 長い旅路の果てに輝く何かが誰にでもあるさ
このフレーズには救われました。
年齢を重ねることは悲しいことともいえるかもしれないけれど、この先を生きていくことにはきっと価値がある。
過去の歩みを振り返りつつ、未来をも前向きに見つめるための支えにもなる、アラカン世代におすすめの楽曲です。
『Ya Ya(あの時代を忘れない)』 – サザンオールスターズ
サザンの『Ya Ya(あの時代を忘れない)』が発表されたとき、私はまだこの気持ちがわかるような年齢ではなかったので、アラカンになってやっと本気で共感できました!
青春時代の不安定さや、甘く切ない恋愛や友情、その時期に抱いた夢や挫折。
時間が経つにつれて、あの頃の自分がどれだけ若かったか、そして当時は当たり前だと思っていた日々が、どれほど貴重なものであったかを痛感します。
もうあの頃のことは夢の中へ 知らぬ間に遠く Years go by
戻れるなら In my life again 目に浮かぶのは Better days
とびきりステキな恋などもしたと思う 帰らぬ思い出 Time goes by
今となっては手の届かない過去への切なさが胸をしめつけますが、思い出の大切さや、青春時代の美しさを再確認してしまいます。
アラカン世代にとって、その時期がいかに重要だったかを実感させる一曲です。
『夜空ノムコウ』- SMAP
皆様ご存知かと思いますが、『夜空ノムコウ』はトップアイドルグループであったSMAPの楽曲。 発表された当時、アラカンさんたちもまだまだ若かったはず。
この曲の歌詞の奥深さは、時間が経つほど心に響くようになるのではないでしょうか?
あの頃の未来に僕らは立っているのかな
若い頃に抱いていた夢や希望と、今自分が立っている現実の間にあるギャップを自分に問いかけるこの言葉は、思い描いていた「未来」がどのような形になったかを振り返るキッカケになり、今の自分の人生をどう評価するか、そしてこれからどう進むかを考えさせられます。
悲しみっていつかは消えてしまうのかな
私は、本当につらく悲しいことがあったときに、このフレーズが何度も頭に浮かびました。
「悲しみは消えない、抱えながら生きることしかできない」と私は考えているのですが、歳を重ねたからこそ自分なりの答えを出せるようになったのだと思います。
あれから ぼくたちは何かを信じてこれたかな
このままどこまでも日々は続いていくのかな
それでも、思いがけない方向に進んだり、ずっと答えが出せないこともあります。
時間とともに失われていくものや、変わっていくものへの切なさを感じたりしながらも・・・
夜空のむこうには もう明日が待っている
最後のフレーズが、まだ見ぬ未来への希望と、今この瞬間を大切に生きる意義を伝えてくれます。
若い頃に抱いていた理想と現実のギャップや、時間の流れの中での変化を実感しながらも、「まだ未来が待っている」という前向きなメッセージはアラカンになった今のほうが心に響きます。
『海の声』 – 浦島太郎(桐谷健太)
桐谷健太が演じる浦島太郎として歌った『海の声』は、もう二度と会えない乙姫様への想いそのものです。
身近な老夫婦のご主人が亡くなったあと、残された奥様がこの曲をよく聴いているとおっしゃっていたのですが・・・
目を閉じれば聞こえてくる 君のコロコロした笑い声
声に出せば届きそうで 今日も歌ってる 海の声にのせて
その奥様のご主人への永遠の愛を感じました。
かつての愛する人や、今は会えない大切な存在を想う気持ちが伝わってくるこの曲。
時間が経っても忘れられない想いや、もう一度会いたいという願い、アラカンさんも共感できるのではないでしょうか?
『想い出がいっぱい』 – H2O
『想い出がいっぱい』は中学時代に流行っていたコミック「みゆき」のアニメ主題歌だったので、当時はこの曲を聴いて、男性が年下の女の子に向けてメッセージを送っているとしか考えていなかったのですが・・・
アラカンになった今、捉え方がまったく変わりました。
古いアルバムの中に隠れて想い出がいっぱい
久しぶりに自分の学生時代のアルバムを見返している時に、この曲が頭の中で流れていたのですが、すべてのフレーズが 「アラカンの自分」から「写真にうつる学生の自分」への想いと重なったのです。
時は無限のつながりで終わりを思いもしないね
幸福は誰かがきっと運んでくれると信じているね
恋を夢見る頃
もう全部、むかしの自分に伝えたいフレーズばかりです。
少女だったといつの日か想う時がくるのさ
少女だったと懐かしく振り向く日があるのさ
そして、もうとっくにその時がきているという衝撃!!!
改めて曲を聴いてみると、アラカンになった私の心にしっかり響いて涙がこぼれました。
アルバムの中にいる学生時代の私・・・これからいいことだけではなく、つらい経験もたくさんするのかと思うと、切なくなってしまって。
それでも、今、自分は幸せだと思っているので、「嫌な時期もあるけど、ぜったい乗り越えられるからがんばって!」とまだ幼さが残る自分を抱きしめたい気持ちになりました。
心に沁みる音楽が教えてくれるもの
これらの曲は、アラカン世代にとって、切なさや過ぎ去った時間の儚さを描きながらも、それをただ悲しむのではなく、前向きに受け入れる強さを与えてくれます。
これまでの人生で経験した喜びや悲しみ、そして出会いや別れは、すべてが今の自分を支える大切な思い出。
切ない感情を抱えていても、そのすべてが自分の人生を豊かに彩り、これから歩む未来への糧になることを教えてくれるのが、こうした名曲です。
心に沁みる音楽は、過去と向き合い、未来に希望を持つための力をくれます。
切ない時も、それを乗り越えてまた歩み出す勇気を与えてくれる音楽とともに、これからも豊かな人生を楽しんでいきましょう!