フェイシャルを担当していただいていたエステティシャンの女性が退職されたのですが・・・ふと、以前読んだ今村夏子さんの小説『ピクニック』を思い出したのです。
今回は、ちょっと恐さも感じた虚言癖について・・・。
エステティシャンの恋バナ
ずっと同じエステのフェイシャルに通っているのですが、しばらく担当して下さっていた女性はずっとアイドルやミュージシャンの話をしていて止まらない人でした。
しかも、「じつは私、あのアイドルに飲みに行こうって誘われたんです!」とか、「SNSでナンパされてしつこくされてて。」などという話が延々と続くのです。
数々の有名人の名前があがりましたが、そのうち「内緒ですけど、私、あの人にすごくつきまとわれているんです。」とあるアイドルの話に絞られてきました。
毎回、「会いたいってしつこくて。」「彼、ああ見えてヘビースモーカーで嫌なんですよね。」「さっきもLINEいっぱいきてました。」などとずっとそのアイドルの話になります。
しかも、それは1年以上続きました。
ホントはそこの事務所、よく存じ上げてるんだけどな~。
私、そっちの世界にはくわしいほうなんだけどな~。
そう思いながらも、ずーっとふつうに聞いていた私・・・(だって逃げ場がないんですもの!)。
でも、その話が疑わしくても、何も言えないですよね・・・。
今村夏子さんの小説『ピクニック』は、菅田将暉さんと有村架純さんの映画『花束みたいな恋をした』の台詞の中にも登場して注目されたことがありましたが、ちょっと恐さも感じられる独特な作品です。(・・・私はかなり恐かったんですけれど!)
『ピクニック』の登場人物は、表面上は普通の生活を送っているように見えるのに、その内面には複雑な感情や秘密が隠されています。
そして、話の中心になるのは、虚言癖の女性と職場の人たち。
虚言癖の女性が作り上げる虚構の世界は一時的な安らぎをもたらすものの、その嘘が露見することで現実とのギャップに苦しむことになります。
突然のニュース
ある日、とうとう『ピクニック』と同じような出来事が!!!
そのしつこいアイドルが結婚を発表したのです!
私は、次にエステに行った時、彼女にどう接したらいいのかとオロオロしてしまいました。
ぜったい気まずい・・・でも、私の方が気をつかってしまうのはナゼ???
『ピクニック』のような展開に・・・
結局、数ヶ月してからエステに行くことにしたのですが、私は彼女とどう接したらいいのか、本当にいろいろ迷っていました。
なのに・・・やっぱり彼女は具合が悪くなってお休みした後、退職してしまったとのこと。
同僚だった方からなんとなく聞いてしまったのですが、他のお客様にも例のアイドルの話をしていたらしく、「本当にご迷惑おかけしていたようで申し訳ございません。」と謝られてしまいました。
う~ん・・・やっぱりリアル『ピクニック』でした!
その後・・・
『ピクニック』の登場人物も、エステティシャンの彼女も、その後は一体どうなっているのでしょう?
ただ、今回の件は、私にもたいへんショックな出来事だったのです。
そんな嘘をつく人が現実にいるということが、本当にびっくりで・・・。
そして、私の周りにいる著名な方々も嘘を語られたりしているのかも・・・と恐くなりました。
虚言癖って、注目を浴びたいとか、話しているうちに本当だと思い込んでしまうとか、心の問題なのかもしれませんが、この先のことを考えると、居場所をなくさないようになんとか抜け出してほしいな、と心から思います。
公の場に出る人はたいへんなのです。