
50代になってから以前よりもずっと、涙もろくなったと感じるようになりました。
最近では、お庭に出たとき、風の匂いや草木の揺れる音がなつかしくて、涙があふれたり…
思い出の場所を偶然とおりがかった時にも、うるっときてしまうこともあります。
でも、こういう感情って、アラカン世代には“あるある”なのではないでしょうか?
涙があふれるようになった場面
たとえば、こんな時に涙がこぼれるようになりました。

- 昔好きだった音楽を聴いて、学生時代の景色がいっきによみがえったとき。
- SNSで流れてきた子犬や子猫の動画。
- 保育園のお散歩中の子どもたちが、一生懸命手をつないで歩いている姿。
- 風の匂いや日差しに、ふと若い頃の感覚がよみがえってくる時。
- 自分の子どもが小さかった頃の写真やビデオを見たとき。
- 道でお年寄りに親切にしている若い子を見かけたとき。
- 大切な人との思い出の場所を偶然通りかかった時。
- 今流行っている韓流ドラマで母親が悲しんでいるシーン。(辛くて途中で観るのをやめました。)
こういった日常のちょっとした瞬間に、涙してしまう今日この頃。
「どうしてこんなことで泣くの?」と自分でも不思議なのですが、その涙にはちゃんと理由があったのです!
「歳をとると涙もろくなる」って本当?

はい、それは本当です。
しかも、科学的にも裏付けがあります。
年齢を重ねると、感情を抑える機能が徐々に変化し、感情が表に出やすくなると言われています。
とくに「扁桃体(へんとうたい)」という感情の中枢をつかさどる脳の部位が活性化しやすくなり、涙腺が刺激されやすくなるのだとか。
さらに、更年期に差し掛かるとホルモンバランスが崩れ、自律神経が乱れやすくなります。
その影響で、心の揺れ幅が大きくなり、涙もろさにつながるのです。
涙もろさには意味がある
さらに、涙もろくなる理由についてひも解いてみましょう。

1. 経験を重ねたからこその“共感力”の深まり
私たちはこれまで、たくさんの経験をしてきました。
親として、子として、社会人として、友人として……いろんな立場を生きてきたからこそ、周りの人のやドラマの登場人物の気持ち、音楽の歌詞の内容が他人事ではなくなってきます。
「この人の気持ち、わかる気がする」
「私もこんなことあったな」
そんなふうに共感するから、涙が溢れてしまう。
それは、人生を重ねてきた私たちだからこそ持てる“心の深さ”なのです。
2. 懐かしさが心を揺さぶる“ノスタルジー効果”
アラカン世代になると、「懐かしい」と感じるものがどんどん増えてきます。
昭和の風景、レトロな喫茶店、古いアルバム。
懐かしい=幸せな思い出、だけではなく、どこか切なさや喪失感も混ざっているから、涙が出てしまう。
これは「ノスタルジー効果」といって、過去を思い出すことで心を癒す心理的な作用もあるそう。
つまり泣くことは、自分の人生をちゃんと振り返っている証なのです。
3. ホルモンや体の変化も関係していることも
更年期を迎えると、女性ホルモンのバランスが大きく変わります。
それに伴って感情の起伏が激しくなったり、涙もろくなることも。
「気づいたら泣いてた…」という自分にびっくりする日もあるかもしれませんが、これは心と体がちゃんと反応している証拠なのです。
じつは「泣くこと」って、メリットだらけ!
泣くようになるのは、恥ずかしいことでも、感情的すぎるというわけでもありません。じつは、泣くことには良い効果がたくさん!

- ■ 涙には“心のデトックス効果”がある!
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感情の涙には、ストレスホルモンを排出する作用があると言われています。つまり泣いたあとは、自然と気持ちがすっきりする。あの「泣いたあとの爽快感」は、ちゃんと科学的にも説明がつくのです。
- ■ 自律神経を整えてリラックス状態に!
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涙を流すことで、副交感神経が優位になり、体がリラックスモードに。「泣いたあと、眠くなる」「よく眠れるようになった」というのも納得ですよね。
- ■ 感情に素直になることで、自分らしくいられる!
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泣くという行為は、感情に蓋をせず、「自分らしくいること」の表れ。歳を重ねるほど、周囲に合わせることや感情を抑えることが多くなりますが、涙はそんな自分に戻れる大切な手段なのかもしれません。
最後に | 涙もろくなる自分を受け入れる

泣きたくなったら、無理にこらえる必要なんてありません。
泣くのは、心がちゃんと動いている証拠ですから。
アラカン世代の涙は、経験を重ねた私たちだからこそ流せる、豊かで美しい涙!
たまには心のままに泣いて、リセットする日があってもいいのです。
泣いた後、少しスッキリして、また一歩を踏み出せるなら、それは立派な“心のメンテナンス”。
泣く時も、笑う時も、私たちにとってどちらも大切な時間なのです